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無痛分娩でも痛かった!私の初産体験レポート【後編】

「全然痛くない」と思っていたのに、無痛分娩 私の体験談

無痛分娩でも痛かった!私の初産体験レポート⑥

陣痛促進剤の痛み VS 麻酔のチカラ

私:「痛い痛いいたいいたあ!」

医師:「痛い?どこがいたい?どこ?」

先生が痛むであろう部分をさすりながら麻酔を加減してくれますが、下腹部も腰も尻も…、今までの陣痛で味わった痛みのすべてが一度によみがえり、「とこが痛い?」と聞かれても答えられなません。(陣痛促進剤をつかうとお産が急に進むので痛みが強いと言われています。)

先生はしばらくいろんなところをさすり確かめて「麻酔は適切に効いている。」と判断しました。

麻酔が効いているのに、なぜ痛い?

出産で一番大きな痛みを伴うのは、胎児の頭が子宮口を通る瞬間です。その痛みと陣痛で痛む部分にのみ効く麻酔なので他のところは痛みが取れません。

例えば、子宮口付近は麻酔が効いていて触られても何も感覚がありませんが、それによって押し広げられる周辺の筋肉にはしっかり感覚があり痛みがあるのです。

しかし、痛みは数分で落ち着き助産師さんとのいきむ練習を再開しました。

無痛分娩は時間がかかる!15時間でやっと産まれた!満身創痍の分娩台

いきむのに不安があっても、途中でうんちを漏らしてしまっても大丈夫だった!

練習が再開されてすぐ、

「いきみたい。」

長い長い出産の中で初めてそう思いました。

私:「す、すみません、もう出そうな感じがするんですけど、思いっきりいきんでいいですか?」

本当に一気にお産が進んだらしくスタッフが慌ただしく動き始めた。
応援のスタッフも続々と部屋に入ってきて、助産師さんも忙しそうにしています。

私:「すみません、手を入れていてもらった方が、いきみやすくて。お願いできますか?」

離れていく助産師さんにすがりました。

「わかりました!」としっかりそばについていてくれるのが嬉しくて嬉しくて…。
助産師さんも一緒に息を止め、力を込め、ゆっくり息を吐き、大きく息を吸ってフォローしてくれます。

看護師さんたちがより一層忙しそうになりました。
どうやら漏らしてしまったようです。全く感覚が無いのでわかりませんが何事もなかったかのように看護師さんがサッと処理をしてくれました。

助産師:「〇〇さん!もうすぐです!頭が通ってる最中です!つぎのいきみで生まれます!」

次で、次で生まれる…!

無痛分娩でよかった!全然痛くない!

医師:「ちょっと切るよ!頭引っかかってるからね!」

私がうなずくとすぐに先生は会陰を切開しました。麻酔がしっかり効いているので何の感覚もありません。

準備が整ったところで、渾身の力をこめていきみました。

医師:「きた!よしきた!…もう自然に下りてくるから、力抜いて!」

医師:「…力抜いて!!!!」

先生が大声で忠告しますが、私は思いっきりいきんだせいで力の抜き方がわからなくなっていました。
このとき会陰裂傷をしてしまいました。先生が「麻酔しておいて良かった。」というくらいひどい裂傷でした。

先生と助産師さんに「ゆーっくり息を吐こうか。」と落ち着かされうまく力を抜けるように手伝ってもらい、どうにか力が抜けきったころ

助産師:「産まれましたよ!」

助産師さんは赤ちゃんをとりあげ私に見せてくれました。

うまれてすぐには泣かない赤ちゃん

まぶしすぎるライトに照らされたフニャフニャでほわほわの小さな小さな赤ちゃん。
「すぐに産声をあげるわけじゃないんだ…。」と冷静に考えつつも、我が子に会えた感動と、分娩の疲れとで手が震えていました。

助産師:「赤ちゃんちょっと綺麗にして、色々測定してすぐもどりますね!」

視界から助産師さんが見えなくなってすぐに

赤ちゃん:「ふえぇぇぇぇぇ!」

助産師:「ちゃんと泣きましたよ!聞こえましたか?」

「(聞こえました…。)」もう、言葉も発せない。

医師:「頑張ったね、お疲れ様でした。」

先生からのねぎらいの言葉と今日の分娩がどうだったか、おおまかな私の状態を聞くものの、ぼーっとしてよくわかりません。

数分かそれ以上たってようやく意識がはっきりした頃、赤ちゃんが戻ってきました。

助産師さんが私の胸付近に赤ちゃんを乗せますが、私は手をうまく動かせません。分娩台の手すりを強く握っていたために痺れてしまっていたのです。

私:「手に力が入らなくて、赤ちゃんをうまく支えられない…。」

細く弱った声でそういうと助産師さんが赤ちゃんを支えるのを手伝ってくれました。

助産師:「エンゼルタイムといって、赤ちゃんがお母さんのぬくもりを感じる大事な時間なんです。母乳が出ると尚いいのですが…。」

そう言って助産師さんが乳頭を刺激するとほんの一滴だけ初乳が出た。

助産師:「良かった!赤ちゃん飲んでくれてます。」

「(よかった…。)」震える手で我が子を支えながら見ると、うっすら目を開けて「ここはどこ?」という表情をしていました。「(痛かったなぁ、頑張ったなぁ、大丈夫?)」という気持ちで優しく頭をなでました。そんな時間が30~1時間くらいあったと思います。

その後、赤ちゃんは新生児室へ。一旦離れ離れです。

会陰裂傷は縫合に時間がかかる

医師:「だいぶ落ち着いてきた?最後過呼吸気味だったもんね。」

先生は、なにやら処置をしながら明るく話しています。

私:「あ、はい、お世話になりました。」

医師:「いえいえ、お疲れさまでした。今、切ったところを縫ってるんだけど結構裂けちゃってるから時間がかかりそうです。綺麗に縫うから安心してね!」

助産師:「すみません。」

説明によると、いきむ際に力を入れすぎたか、少しタイミングがずれたか…、会陰切開では足りず会陰裂傷してしまったとのことでした。膣内の壁がびりびりに裂けてしまっている、と。

会陰切開だけなら数分で縫い終わりますが、裂傷が複雑であるために1時間近くかかりました。

助産師さんは「自分のせいで…。」と思っているようでしたが、私はそんなふうには思いませんでした。

無痛分娩が終わった後のこと

先生は処置を続けながらこの後のことを説明しました。
裂傷があったので今夜は麻酔を入れたまま寝ること、麻酔が効いているあいだは自力で歩かないこと、トイレもカテーテルで看護師さんにしてもらうこと、麻酔が切れたあとの初めてのトイレは看護師さん付き添いで行うこと、抗生剤の点滴があることなどです。

すべての処置が終わり用意された車いすに乗って病室へ向かいました。麻酔が効いているため副作用はあったものの、麻酔なしではどうなっていたかわからない出産時や裂傷の痛みは全くありませんでした。陣痛に苦しんでいたあの時間が一番つらい初産の思い出となりました。

(完)

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